飛んできた敵をなぎ払いながら、奥州筆頭である伊達政宗は敵襲から城内を守っていた。「Ha! 何だこいつら、斬っても斬っても湧いてきやがる」Shit.と悪態をつきながら、政宗は一向に納まらない敵を斬り続けていく。縦、横、斜めと斬った所で一人また一人と倒れていったがそれ以上のスピードで敵はわんさかと湧いて出るようにどんどん来る。少し向こうではが長尺刀をふりまわし、一振りで平均5・6人ほどを倒していた。こうして政宗とが中心となって斬りこんでいき相手の軍勢を崩して、その脆くなった軍勢を小十郎が仕留めていくという作戦を取っていたので効率良く敵方は倒されていっている、筈だがしかしそれでも相手はしぶとく、数を減らす様子を見せない。いったい何人で来てやがる、と思いながら政宗は向かってくる相手を斬り続ける。
 いったい何なんだと今日何度目かになる舌打ちをしながら、奥州筆頭は眼前に迫ってきた敵の軍勢に対して残り五本の刀を抜いた。「WAR DANCE!」六刀流になったにもかかわらず相手方は怯む事無く突っ込んでくる。政宗は、向かってくる敵に対して不適に笑った。


 数時間前。
 深夜に敵襲を告げる法螺貝の音が耳を劈くように響いていた。ごうんごうんと微かながらも馬の蹄の音も聞こえてくる。それも相当な数のようだった。今日の胸騒ぎは、こういうことだったかと政宗は舌打ちをする。しかし彼は既に戦闘の準備を整えており、隣にはが同じくいつも通りの装備でちょこんと座っていた。

 「Oh...、敵が来たみてぇだぜ」
 「うん、そうだね!」
 なぜか嬉々とした表情でにっこりと笑いながら、と呼ばれた少女はその体躯に釣り合わない七尺はあろうかと思われる長尺刀をぎゅっと抱きしめるように握った。政宗はその表情を見ると、敵方がいかに彼女に翻弄されるかを考えて不適に微笑む。彼女の強さについては、政宗も良く知っていた。
 「それじゃ、Let‘s Partyといこうじゃねェか」彼がすうっと立ち上がると障子をぱあんと開けて小十郎が入ってくる。
 「政宗様、敵が迫ってまいりました。現在峠を越えて真っ直ぐにこちらに向かっております」
 「Ha,この俺に喧嘩売るのがどれだけ自殺行為かって事を思い知らせてやるぜ」政宗は威勢良く言い放つ。
 「行くぞ、手前ぇら。Are you ready!?」
 「Yeah!!」
 城内から野太い声が響き渡り、政宗は部屋から外へ出て馬に跨った。Ha!という掛け声と共に馬に鞭打って走り出す。腕を組んで、敵陣はどう出るのかと考えていると政宗の後から付いてくる小十郎がそれを察したかのように話しかけてきた。

 「政宗様、敵方はどうやら本気で城を落としに来ているようですぞ」
 「It‘s so Crazy…どこのどいつが首謀者だか知らねーが、良い度胸だな」先頭を切って坂を駆け下りながら、政宗は呟く。
 「ねぇ、いっぱいいるの?」が政宗の後ろから問いかける。
 「Oh,沢山いるみてぇだぜ」
 「斬ってもいい?」
 「OK,好きなだけ斬りな!」
 「やったー!」
 嬉々とした声を上げながら、は馬上ではしゃいだ。一般人ならば危ない事この上ないが、は別格なので特になんということもないだろう心配するに値しないのだ。ドン、という門を突き破る音と共に敵軍の先駆けが突っ込んでくる。その誰もが威勢の良い奴らばかりで体格も頑丈で立派。さすが、である。政宗が「Let‘s party!」と刀を抜くとは馬上から飛び降りながら抜刀した。小十郎をはじめとする伊達軍もそれに続いて「Yeah!」と掛け声を上げながら先駆けに突っ込んでいく。ひとたまりも無く一斉に崩されていく敵方の先駆け達。


 そして現在。斬っても斬っても一向に減る様子を見せない相手方に対し、こちらの体力も少しずつ限界に近づいていた。向かってくる奴らはあとどれほど来るのかも定かではない。しかし、戦況は変わろうとしていた。

 「退却命令が出たぞー」「退却だー」「引けー」
 唐突に引き上げ始めた敵を前に、あっけに取られてその様子を見る政宗。
 「What,どういう事だ小十郎」
 「それは私にも、」と口をつぐんで首を横に振る小十郎。
 相手方はほぼ全てが退却し、後に残されたのは地面に転がる肉塊と奥州筆頭率いる伊達軍のみ。「ったく何だって言うんだ、Shit」
 「ばいばーい、また遊ぼうね!」
 そんなの呑気な声につられて、政宗は豪快に笑った。





(×)(20090729:素材)山田さんちの泉ちゃんを誕生日に無理やr書かされ難しさに泣いたあの苦い思い出