の情報がないことに不安を感じてはいたのだが、ナイスたちもしばらく彼女のことを追っていたらしい。黒幕という可能性を疑っていたようだった。蓮田新の件もそうだったが、彼女に関しても同じだと言い切れるだろうか。後発ミニマムホルダーであるとされている彼女が、もし彼女が本当は潜在的にミニマムホルダーとしての才能がありファクルタースとの何らかの関係があったとすれば、彼女に何も機関からの連絡がないのは頷けるのだ。 彼女、について僕なりに調べてはみたものの、なかなかに情報が出てこなかった。学園名簿にも彼女の名前は載っていないし、彼女の出生についての記録はほとんど隠蔽されている。明らかになっていたのは高校からの記録。市内でも有数のお嬢様学校に通い、生徒会長を務め、品行方正、眉目秀麗、才色兼備とうたわれ、学内でも数十年に一人という頭脳を誇る天才。ただ中学時代以前の彼女の記録は、いくら探しても出てこなかった。手始めにあの情報屋をあたってみたものの、いやいや、これはお手上げだ。とお金を受け取る前に彼は首を振った。 「あー、またこの子か」情報屋が呆れたように頭を掻いた。「あなたの御友人方も聞きに来たけど、この子の情報まったく掴めないんだよね。いくら積まれても答えることは何もないよ残念だったね。旦那。またほかの件で協力しますよ」 「そうか。悪かったね、じゃあまた」 「そうそう、彼女にあんまり深くかかわらないほうがいいよ」 「それは、僕に対する忠告かな?」 「世間から抹消されないためにね」 まさか、そんな訳ないだろうとその時は高をくくっていたのかもしれない。「肝に銘じておくよ」 ひらりと手を振って彼のもとを後にする。闇に包まれた彼女の存在は今回の件とつながっているのだろうか。いや、それは考えすぎかもしれない。 「、一体君は何者なんだ」 ソファで丸くなって眠る彼女の髪を右手で梳く。僕と同じ色をした髪は、怪しく光っていた。考えすぎなのかもしれない。 「僕は、どうしたら」 すう、と彼女の頬を撫でる。 「、教えてくれ」 |