バースデイが警察に補導されたと聞いた時にはレシオと顔を見合わせてため息をついた。好き勝手にそれぞれ理由を考え、何故補導されたのかと想像していたがまったく予想がつかず。二人で話し合った末に痴漢かなにかで捕まったのだろうと結論に達したが、実際のところ連続爆弾魔と間違えられてのことらしい。運悪くナンパの途中に建物が爆発したのだそうだ。何と不幸な。 「いやー、ほんっと助かった! やっぱ俺のマイエンジェルちゃんはほんっとに天使だわ、マジほんと天使!」 「はいはい、」ぎゅうぎゅう抱き付いてくるバースデイの頭を軽く小突く。いて、と言いながらも離れようとしない彼はある意味しぶとい。「それで、ナイスもムラサキも…なんで高校に?」 「依頼なんだそうだ。ちなみに訂正するならムラサキは先生として潜入しているらしい」 「へぇ、ナイスはともかくムラサキさんはわりと有名になってますよ。名前はダサいけどすっごいカッコいい先生が横濱羽学園にきてるって……うちの学校にも噂が」そこで隣に座るバースデイの手がわたしの胸元をまさぐっていることに気づく。「こら、バースデイ。どさくさにまぎれておっぱいさわらないでよ」 「はぁん! 女子高生のおっぱいに触れる機会なんて滅多にないんだから俺ちゃんにもっと優しくしてぇ〜」 ふにふに、といやらしく動く手を振りほどこうとしてもがく。男の人らしいごつごつした手が服の中に入ってきて、わたしは背筋がぞくりとする。ぺし、と腕を叩いてやるとちょっと相手がひるむ。まったく本当にこいつは…! 「この変態!」 おもいきり頬をひっぱってやると「いひゃいいひゃいって〜」とチャラチャラした言葉が聞こえてくる。まったくコイツは懲りてない。 「もうしない?」 「まだまだ不健全なこともドゥーイングしちゃう?」 人の話聞いてないだろ、という反応しかしないバースデイにレシオはため息をついた。わたしはぐい、とバースデイの胸倉をつかむ。 「いっぺん死んでみる?」 「殺すのはダメだ、」 「どうすればいい? レシオ」 「その辺に縛って転がしておけ」 「わかった」 「ちょ、なにその放置プレイ…!! って、ちゃんなにその紐どこから出したのしまってしまってぇ〜!!」 |