「うわ、何この美少女? っていうか、だれ?? なにちゃんっていうの? ついにレシオちゃんに春がきたっていうのになんだか女子高生はちょっと犯罪くさ…」
 「黙れバースデイ」
 「といいます」
 「お前も名乗らなくてもいい」

 いきなり女子高生を連れて現れたら誰だってこうなるだろう。いや、こうなるに違いない。だって女子高生だぜ? しかもこのあたりでは名の知れているちょっといいとこの制服を着ているところをみると、かなり頭のいい女子校の女子高生だというところまで俺ですら推測はできた。というかなぜ女子高生が我が家に?

 「そ、そんでちゃんはどうしてレシオちゃん家に…?」
 思い切って、ふと思ったことを口に出してみれば、レシオちゃんから「流血していた家出少女を保護している」ととんでもない返答が帰ってくる。ど、どういうことか俺にもわかるように誰か説明をしてくれないだろうか。俺にはさっぱり何が起こっているのかわからないが、女子高生が、しかもかなり美少女が、家に住み着いているというのはわかった。

 「は?? え?? なに?? 全部色んな事すっとばして同棲!? …も、もしかして俺全然話についていけてないっていうか置いてかれてる!?」
 「この方は同居人ですか?」 「そんなものだ」
 「ちょ、俺だけ蚊帳の外っ―――! や、待て待て、流血ってそもそも何があったっていうんだよ? この子が血まみれで倒れてたワケ?」
 「まあそんなところだ」
 今はもう何ともないようだがな、とレシオはつけたして。あ、そうそう、と忘れたようにもう一つ付け足した。


 「そういえばコイツはミニマムホルダーだ。割と危険だから迂闊に手を出さないように」
 「そういうのっていちばん最初に言うべきじゃないのかよおおおおお!」