HRも終わり私が帰りの準備を終えて教室を出ようと思えば「平和島静雄が校門で立ってるぞ!」なんて物騒な声がしてきゃあきゃあと騒ぐ声がする。まさかそんなはずあるわけないじゃないか、なんて思いながら下駄箱を通り抜け、普通に校門から出ればそこに普通に平和島静雄さんは立っていた。それもうちのポンちゃん(ポルシェ)にもたれかかっている。運転手の人はいつもの人で、私がどうもと会釈をすれば丁寧に帽子を取って恭しく少し頭を下げた。 どうやら静雄さんがこちらに気付いたらしく、煙草をポケット灰皿で消しながらはっとした表情を浮かべる。





 「あ」
 「あ、じゃないですよ。何をしているんです? 学校の前で? なんだか教室が大騒ぎでしたけど」
 「お前だよ、待っててやったんだから礼ぐらい言え。つーか、そんなこといいから兎に角早く乗れ」
 「えっ」





 強引に静雄さんが車の後部座席のドアを開けて私を車に押し込んだ。「いったい何事なんです?」とぶつぶつ文句を言えば、後から静雄さんが乗り込んできて、「説明は後だ」と、バタンとドアが閉まった瞬間に車が出発した。これで学校の全校生徒に対してきっと、あらぬ誤解がたくさん生じたんだろう。なんだか背筋がぞっとして、今日が金曜日で本当に良かった、と思った。今日が月曜日だったらとっても憂鬱だ。





 「車の運転も安定してきたところで質問なんですがどうしてこうなった」
 「お前の親父さんが、『あっそういえば今日パーティあるから早く帰って来いって言うの忘れちゃったから静雄君迎えに行ってきて』とのことで俺が迎えに来た」
 「えっ、」私はいつものおうちの運転手さんの方を見る。「パーティって今日、何かありました?」
 「財閥一同の集まる企業社長による社交パーティが御一つあります」
 「あっ、そういえばそんなことを言っていたような気がしなくもないけれど……」
 ため息を吐く静雄さんに、私は思いついたように言う。「静雄さんも一緒に来ます?」
 「いや、っていうか俺が行ってもいいのか?」
 「多分スーツに着替えればなんとか。静雄さんってバレないですよ、世間知らずのお坊ちゃんとお嬢ちゃんと狸しかいませんから」
 「狸って」
 「言いえて妙でしょう? 狸ですよ、狸、キツネみたいな人もいらっしゃいますが」
 けらけらけら、と私はわらう。















(20120104:ソザイそざい素材)静雄さん同伴のパーティなんて、たのしすぎる! そんなわけでリクエスト設定の静雄さんでしたが設定生きてる? レベルのおはなしでなんだか久しぶりのDrrr!ジャンルで静雄だれおまえってなりましたが静雄さんに見えてたら幸いです。リクエストした方がみてらしてたら遅くなってすいません嬉しいですありがとうございました。